『昔話の深層』
河合隼雄
妙福寺トップページ > 妙福寺PRESS > 妙福寺あれこれ > あけましておめでとう御座います。
2011/01/01
平成23年の新春を寿ぎおよろこび申し上げますとともに、今年が世界にとり、日本にとり、皆様にとって平安な年でありますことをお祈り申し上げます。 合掌
「正月は妙の一字のまつりなり」
『秋元殿後返事』
「正月」「端午」「七夕」など古くから大事にされてきた習慣。日蓮聖人は妙法蓮華経の5字を五節句になぞらえ、正月は天照太神を歳の神とする大事な節目と示されています。
お正月を迎えるには年の瀬に大掃除を行い、大晦日には除夜の鐘をつき、その音に心の煩悩を洗い流します。
年明けを迎えると晴れ着に袖を通し、そして菩提寺、地元の寺社仏閣を参拝する。家族揃ってお屠蘇を頂き、子供たちはお年玉に大喜び。
元旦は料理も掃除もせずにゆっくりと過ごす。これは掃除をすると福も一緒に掃き出してしまうという考えから生まれたもの。
これからはじまる1年間の苦労を乗り越えていくためのエネルギーを蓄えいくのが元旦の行事でした。ところが昨今の各家庭のお正月の過ごし方は様変わりしました。
お正月が特別な節目ではなくなり、それぞれが自由に迎える形態が増えてきています。
日蓮聖人は「妙とは蘇生の義なり。蘇生と申すはよみがえる義なり」と『法華題目鈔』で説かれています。
正月を楽しく過ごす事も大切ですが、年の初、心を静かに落ち着け自身の足下を見つめ直す機会にするのも宜しいのではないでしょうか。
疲弊した人や社会の再生を願い、まずは自分が新しく生まれ変わる。
その決意に、法華経は必ずや智慧や力を授けてくれる事と思います。
妙福寺あれこれ | Comments(0)