「親の心子知らず」
「老いて後思い知るこそ悲しけれこの世にあらぬ親の恵みに」 親御さんを亡くされた方、ぐっと来るものはありませんか? 親が健在な時は「頑固おやじ」「うるさいお袋」とつい愚痴っていませんでしたか? それが自分も年を重ねて来ると、厄介と思っていたその親から受けた愛情、存在の重さに気づいて来るのではないでしょうか。
お釈迦さま、日蓮聖人ですら「未だ父母への孝養足らず」と懺悔しておられます。ましていわんや私たちにおいては。
このお言葉をよくよく肝に銘ずべし!
『刑部左衞門尉女房御返事』
刑部左衞門尉女房とは尾張の住人と伝えられていますが詳細は不明です。
この女性が亡き母の13回忌に当たることから供養のためにと銭20貫文などを聖人へ送ったことへの礼状です。
本書は父母の恩を語り「教主釈尊が父母孝養のために説かれたのが法華経である。日蓮も母上にかけた苦労を悔い、その償いと報恩は法華経による供養より他になし」と説かれています。
弘安3年 聖寿59歳
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