『昔話の深層』
河合隼雄
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2015/04/01
新学期、新年度は何かとワクワクする季節ですね。
目標を新たに“やる気スイッチ”がONになり、学習やスポーツなど、新たに何か始める方も多いかと思います。
そのような始まりの季節である4月は、仏教徒にとっても大切な季節です。
みなさん。4月8日は何の日かご存知ですか?
この日、全国のお寺では誕生仏というお釈迦様の生まれ姿の仏像を祀り、そこに甘茶をかけてお祝いをします。
そう。4月8日はお釈迦様の誕生日です。
この日、仏教徒はお釈迦様がお生まれになった事に感謝し、日常の中でお釈迦様から頂く様々な「恩」に対してお礼をする日です。
そして仏教徒は、この行事を通して今度は自分が日常の中で様々な人から頂いている「恩」を自覚し、そこへ感謝の気持ちを新たにする日でもあります。
私たちが日常の中で、家族や職場の人から頂いている「恩」は、最初「ありがたいな〜」と感じていても、無意識にそれは「当たり前」になり、次第に「恩」に気がつかなくなるものです。
ともすると、より多くを求めたり、感謝の気持ちを伝える事をしなくなってしまいます。
これでは周りとの関係が上手くいかなくなるばかりか、自分自信の幸せも逃してしまっていると思いませんか?
大切な事は、周りに多くを求める前に、一度、自分がどれくらい周りの人に支えられているか、どれくらい多くの「恩」を頂いているかと、気がつく事が必要です。
仏教には「知恩報恩(ちおんほうおん)」という言葉があります。
これは「頂いている恩に気づく事(知恩)」そして「自分も誰かに恩を送ること(報恩)」を意味しています。頂いている「恩」を自覚したら、自分も誰かに「恩を送る」という行為が大切です。
「恩」を自覚したら、今度は「恩」を送って「恩の循環」をしてあげましょう。
それは巡り巡って自分を幸せにする行為ですから。
4月は新たに何かを始めるには良い季節だと思います。
“やる気スイッチ”をONにすると同時に、自分の“感謝スイッチ”もON(恩)にしてお世話になっている人へ「ありがとう」と伝えてみてはいかがですか?
周りの人々との関係もきっとON(温)になりますよ〜。
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