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妙福寺あれこれ

2012/06/01

今月の聖語【平成24年6月】

善知識たいせちなり。 

 

『三三蔵祈雨事』

建治元年(1275)54歳

 ここで示す善知識とは、善良なる縁やきっかけのことです。それは人であったり、書物であったり、映像であったりします。

 「朱に交われば赤くなる」といわれるように私たちは周囲の影響を強く受けながら生きています。恐ろしいのは全体が一色になり個々の色が分からなくなり、社会が崩壊してしまうことです。それだけに善知識との出会いは大切です。善知識から得た正しい感性や価値観は個々の人生を豊かにすると同時に、社会全体を美しいものにし、安穏なる姿に導いてくれるのです。

 そんな善知識とは出会っていないと多くの方々が思いますが、それは自分だけの狭い価値観によるものです。本当の価値は未来が決めてくれます。悪縁との出会いでも、いつしか良縁と感じることがあります。またその逆もあります。ですから、時代や社会がどんなに移ろっても変わることのない真実の価値観と善知識が求められます。実は求め続ける姿こそがすでに善知識と言えます。それは理想を求め続けるスポーツ選手と、それを見つめる私たちの姿と似ています。人は真実を求めながら、求められる存在になっているのです。
 
 この聖語の掲示も、つねに皆さんに寄り添う善知識です。ともに安穏なる社会を築き上げましょう。

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