『昔話の深層』
河合隼雄
妙福寺トップページ > 妙福寺PRESS > 妙福寺あれこれ > 妙福寺のお盆はちょっと違う。
2011/08/15
全国のお寺では8月15日の前後数日間(東京は7月が一般的)は、お盆のお経まわりをします。棚経といって、一軒一軒お宅に伺い、お仏壇に回向してまわるのが夏の風物詩です。
しかし、妙福寺のお盆はちょっと違います。一軒一軒まわる代わりに、檀信徒の皆さんが家族でお参りにいらっしゃいます。
8月13日に提灯を持ってお参りにきて、ご先祖様のお墓で火を灯して家に帰ります。そして15日に火を灯した提灯をもってお参りにきて、お墓で火を消して送り火にします。
住職と私は13日と15日の夕方6時から、全部のお墓を読経しながらまわり、お参りに来られた方々と一緒にご先祖様のご供養をさせてもらっています。これが妙福寺のお盆です。
一般的なお盆と少しだけ違いますが、やり方はどうあれしっかりご先祖様への供養が出来れば、土地によっての弔い方が多種多様にあって良いなと感じています。
ちなみにお盆の由来をサラッとご説明させて頂きますと、お釈迦様の十大弟子、目連尊者の説話に由来すると云われています。
神通第一といわれた目連尊者がある時、その神通力で餓鬼界を覗くと、なんと自分の母親が逆さ吊りで苦しんでいる姿を見てしまいました。
どうにか救いたいと考えた尊者は師匠であるお釈迦様に相談しました。
するとお釈迦様は、このように答えます。
僧侶達が雨期の為に一カ所に定住して修行に専念する安居の最終日、そこで全員が集まり修行の反省や罪の懺悔をする自恣(じし)という行いがある。
その時に食物などの布施をすれば、その功徳によって母親は救われるだろう。
その教えを聞いた目連尊者は教えの通り、安居の最終日である7月15日に総懺悔する僧達へ様々な布施をして母親を救う事が出来た。というのがお盆の由来です。
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