『昔話の深層』
河合隼雄
妙福寺トップページ > 妙福寺PRESS > 住職日記 > 〜お寺の奥さんと行く本門寺の旅〜
2010/11/18
もうすぐ師走というこの時期。皆さんはどうお過ごしですか?先日、全国の寺庭婦人さん達が集まる大きな会議がありました。寺庭婦人さんとは、住職と共にお寺に住み、住職を陰ながら支える縁の下の力持ちのような存在です。その方々の担当である私は1泊2日同行させて頂き、1日目は会議&講演、2日目は池上本門寺参拝と、なかなか濃厚なスケジュールで無事会議を終えました。
普段、池上に勤めているので本門寺へはよく参拝に行きますが、今回はひと味違います。全国からの代表者達が参拝するとあって、大本堂の内陣に上げて頂き、さらに御開帳あり山主様の法話ありと、何とも特別感のある参拝が出来ました。池上本門寺は日蓮聖人が亡くなったお寺ですから、10月のお会式万灯供養は風物詩として有名ですが、朝粥会や写経会、スローミュージックライブ、朝市etc、普段から本当に色々な行事がありまして、その間口の広さはピカイチだと思います。池上本門寺のように地域に根ざし、人々から必要とされ、また何を必要とされているか知っているお寺、こんなお寺こそ本来のお寺の役割を全うしているお寺ではないかなと感じました。
仏教への理解度やイメージ、そして求めるモノは十人十色ですが、池上本門寺の企画する内容は、どんな方でも1つくらいは参加してみたいと思わせるプログラムがあり、それはどれをとっても仏教から離れていないところに魅力を感じます。お寺で企画するイベントは、やはり人集めだけではいけない、仏教という軸を外しては、せっかくお寺で開催する魅力が無くなってしまう気がします。
何気なく参拝させて頂いた今回、お寺の変える部分と守る部分を学んだ気がしました。昔の人は総本山の身延山久遠寺を〝信仰の身延〟池上本門寺を〝布教の池上〟と呼んだらしいのですが、宗門トップクラスの寺院である池上本門寺が永年培ったノウハウをちょいちょい吸収させてもらい、妙福寺も変化と伝統のバランスを大切に日々精進していきます。
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