『昔話の深層』
河合隼雄
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2013/05/24
na jaṭāhi na gottena na jaccā hoti brāhmaṇo /
yamhi saccañ ca dhammo ca so sucī so ca brāhmaṇo.(Dnp.393)
結髪によって、家柄によって、カーストによって、尊い者になるのではない。
真実と真理を持つ者、その彼は安楽であり、尊い者である。
外見や肩書きだけ装ってもダメ。
ブッダの教えを大切にし、その教えに基づきサトリへの歩みを進める者こそ
幸せを手に入れ、尊い者となる。という話ですね。
それにしても「真実」と「真理」、とても似ている言葉ですよね?
しかしこの違いは大切です。
Sacca(真実)は、真理を言葉で表現したもの。
Dhamma(真理)は言語表現など出来ないもの。
という違いがあります。
真理は言葉で表現出来ないが、そこに導く為に言葉(真実の言葉)を使う。言葉は真理そのものではなく、真理は自己の体験にある。
そこに到達してもらう為に様々な言葉(真実語)を使い導く、というのが仏教の大切な骨子です。ちなみにその巧みな言葉をUpāya(方便)と呼びます。
嘘も方便!!は嘘ですね。
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