『昔話の深層』
河合隼雄
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2013/05/15
yo 'dha puññañ ca pāpañ ca bāhetvā brahmacariyavā /
saṃkhāya loke carati sa ve bhikkhū 'ti vuccati.(Dnp.267)
この世の福徳と罪悪を捨て去って、浄らかな行いを考慮して世間において行ずる。
彼こそが実に比丘と呼ばれる。
世俗の価値、非難や賞賛に左右されてはいけない。しかもこの世間において欲望に振り回されないように生きるのだ。その者こそ修行者である。と仰っています。
これも大変難しい修行ですね。世間の価値観に振り回されてはいけないが、世間を捨てるのではなく世間の中で生きて修行していくのだ!と、やはり自分自身を制御していく事が求められている宗教ですね。
私たちが大切にする経典『妙法蓮華経』には「不染世間法 如蓮華在水」と説かれています。
「世間の法に染まらざる事、蓮華の水にあるが如し」
現実世界に行きながら、世の中の価値観に振り回されないように生きる事は、まるで蓮華が汚泥に根を張りながら、その泥の色に染まらずに自分の本来持つ色の花を咲かせる事のようだ。と例えられています。
口で言うのは簡単ですが、なかなか難しい道ですね。
しかし、この目標を掲げて一歩一歩の歩みを進める事、その行為自体がとても大切な意味をもちます。心に留意しておきたい言葉です。
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